
昔、高名な禅僧が寺の僧は鎌を使わずに庭の草むしりをするので指は黒くなっているものだ、というようなことをテレビで話されているのを聞いたことがあった。
禅宗のお寺には苔むした庭が多い。
京都の苔寺をはじめ各地の名園には禅宗の寺が多いような気がする。
寺の庭は借景に山を配していることが多いが、自分は清水や小川の流れる山際であるため自然と苔がよく生えているのかと思っていた。
ところがそればかりでもないようだ。
僧の日常の修行の一つである、雑草を取り、庭を美しく掃き清めることが、苔の庭を保つ秘訣となっているようだ。
自然そのものに見える苔の庭は、実は人が介してこそ維持できる庭の美なのだ。
自分も好奇心で実験してみた。
庭の一画だけではあるが、鎌を使わずに手で草を抜いてみたのである。
すると、自然に杉苔の仲間が繁殖するようになった。
(写真のとおりだが、こうなるのに10年かかっている)
また、落ち葉を掃かないと苔は枯れてしまうのだ。
いはや、寺の広い苔庭を管理するには、大変な手間暇がかかっているものと思われる。