
他人にはどうでもよいことだが
本人にとっては、どうも気になるのが
ご先祖様のことだ。
どんな人物だったのか、何をしていたのか、
祖父は、私が生まれる大分前に亡くなっているので、
あまり具体的なイメージはなかった。
ところが、昨年初めて祖父の「軍隊手帳」というものを見せてもらい、
かなりリアルな面が見えてきた。
軍隊手帳の中には、履歴という欄がある。
そこには20歳で徴兵検査を受け、入隊した所からはじまり、
時系列で、何をした、
給料が何等級になった、
軍隊の階級がどうなったということが書いてある。
日本の歴史に重ね合せると、なるほどと思われる点も多々あり、興味深い。
祖父は東京麻布の歩兵第一連隊、第一中隊に入隊している。
第一連隊、第一中隊というと、ちょっとエリートぽく聞こえるが、
所属連隊は出身地で決まることなので関係ない。
ところがこの歩兵第一連隊、
後に二二六事件を起こすことになる軍隊なのだ。
祖父は徴兵期間が終わってもそのまま軍隊に居続けた。
長男ではあったが、家が貧乏だったのでそのまま居残ったのだろう。
その間、中国の青島へ守備隊として出征したり、(第一次世界大戦後のことで青島など中国のドイツ統治領を日本軍が占領していたころのことだ)また、大正12年の関東大震災では、東京の治安維持活動や震災の被害状況の調査などをしたりしている。
予備役として除隊となったのは32歳の時なので、都合12年間軍隊暮らしをしていたようだ。
ここで手帳の記録は一旦終了している。
ところが履歴の欄は、祖父が47歳の時に突如再開するのである。
ミッドウエイ海戦で日本軍が歴史的大敗北を喫した直後のことだ。