エレクトロバンキング 金融財政事情研究会 1982年



私が学生のころは、まだワープロもろくに普及していなかった。
私がパソコンを初めて買ったのはWindows Meで、すでに私はおじさんと言える歳になていた。その頃でもネットへ繋げるのは、まだアナログ電話回線が主流で、ようやくISDNが普及しようかという程度だった。
このため情報へのアクセスの方法も、今のZ世代と呼ばれる若者とは異なり、物事を深く考えるためにはペーパーベースの活字でないとしっくりこないような、どうしようもないおじさんだ。

といって、今の状況は想像も出来ない世界だったかというとそうでもなかった。
この本の中でも、近い将来そうなるであろうと予言されていた。

この本は私が学生のころに読んだものだが、(1982年)今後の金融機関の業務の変化、さらにその先の世界までも言い当てていた。

例えばこれからの社会のありようについては
ホーム・エレクトロニクスの進展として
1.セキュリティー・システム
2.ハウス・コントロール・システム
3.省エネルギー・システム
4.家事管理システム
などの近い将来始まるであろう社会の動向を挙げ、AIの進展までも織り込んでいる。
これらの社会インフラの形勢に伴い
「外部情報の波」(ネット社会)がやってくる、
として、金融機関では、ネットバンキングの進化に伴い、銀行の店舗の在り方も大きく変わるであろうと現在起きていることをすでに予想している。

それでは銀行はアイデンティティをどこに求めるのか
銀行の置かれる将来の状況の説明として
「このような地殻運動の進行の過程では、銀行は、他の業態とも激しい生存競争を繰り返しながら、提携や系列化の方向をクローズアップしてゆくことになり、再編成の焔に炙られつつ、生き残るための懸命の努力が続けられることになる。」
(つい先だっても新生銀行SBIホールディングスの子会社となり、現実に起きていることだ。)
「銀行はハードの面では装置産業化し、ソフトの面では情報産業化することになる。」
という解説が今後の業界のありかたを暗示している。