本、作家

紫式部 源氏物語A・ウェイリー版、赤と青のガウン 彬子女王

最近、話題になっている本を買った。一冊目が紫式部 源氏物語A・ウェイリー版 毬矢まりえ+森山恵姉妹 訳 左右社もう一冊が赤と青のガウン オックスフォード留学記 彬子女王 PHP文庫一冊目の源氏物語は、紫式部の源氏物語の英訳版の日本語への再翻訳という珍…

「レコード芸術」休刊となる

「レコード芸術」が2023年7月号で休刊となるそうだ。レコード芸術ばかりではなく、出版業界の不況にともない、専門性の高い月刊誌の休刊が相次いでいる。秋にコンサートに行くピアニストの内田光子さんを知ったのも、30年ほど前にレ―コード芸術の書評やオ…

ムツゴロウさん亡くなる

「天然記念物の動物たち」の最終章「大雪山に生きるもの」の最後の文章のところでムツゴロウさんは、こう言っていた。「なつかしい思い出が大きなかたまりになって私を包んでいる。動物たちは生きていてくれた。そして、とても熱心に動物を守っている人たち…

マインド・コントロールの恐怖 スティーヴン・ハッサン著

1988年(日本語翻訳1993年)著者は統一教会の元信者で、学生であったころに信者となり、アメリカ統一教会の副会長にまでなった教団のエリートである。ただし入信から脱会までわずか2年数カ月のことで、両親の献身的なサポートと脱洗脳プログラムにより社…

帝国主義の時代 江口朴郎著

今日の朝刊の記事の中で、防衛大学の校長先生が「帝国主義の時代」江口朴郎著を愛読書の一冊として挙げられているのに目が止まった。高校生のころ読まれたようだが、その筋の専門家でもあり、おおと思った。この本の中で1853年のクリミア戦争のことに触…

近江五個荘の外村繁邸

昨年秋、近江の五個荘を歩いた。近江商人の屋敷の中に外村繁邸があり、ああ、あの外村繁さんは、五個荘の出身だったのだと、思い出した。今日本棚をガサガサやっていたら出て来た。小説「澪標」内容はかなり危めな私小説だ。こんなの出版して大丈夫なのかい…

エレクトロバンキング 金融財政事情研究会 1982年

私が学生のころは、まだワープロもろくに普及していなかった。私がパソコンを初めて買ったのはWindows Meで、すでに私はおじさんと言える歳になていた。その頃でもネットへ繋げるのは、まだアナログ電話回線が主流で、ようやくISDNが普及しようかという程度…

鬱勃たるパトスの頭山満「頭山満伝」

私が知っている戦前の右翼の大物と目される人物は、言論界では徳冨蘇峰、学者では大川周明、オールラウンドな活動家なら北一輝、そして精神的支柱としては頭山満。その程度の知識しかないのだが、安政2年の生まれで亡くなったのが昭和19年というと、私にとっ…

国連特別総会における中華人民共和国代表団鄧小平団長の発言 1974年4月10日

中国はこれからどうなるのかと関心があり、遥か昔に買った、かなりマニアックな小冊子が手元にある。改めて読んでみるといろいろ考えさせるものがある。それで気になる部分を一部抜粋して転記してみた。前略・・・・二つの超大国は、現代における最大の国際…

瀬戸内寂聴さんと今東光和尚

瀬戸内寂聴さんが出家された時、マスコミはこぞってそのことを報道した。私は関心がなかったが、テレビで見ていた記憶がある。売れなくなった作家が売名行為でやってるのではないか、そんな冷ややかな見方だった。世間もそんな感じだったのではなかろうか。…

内務省地方局有志「田園都市と日本人」

昨日の日経新聞に「田園都市と日本人」が紹介されていた。私にとって、懐かしい本だった。私がこの本を読んだのは1980年のことだ。当時経済学部のK先生が、ぜひ読むようにと推奨した本だった。かねがね、国土の乱開発を苦々しく思っていた私には、興味…

かもめのジョナサンはもう読んだでしょうね

カモメのジョナサンはもう読んだでしょうね僕はあと書きを先に読みました疑う事しか出来なくなっていてとても恐いような気がします(M氏への手紙 杉本真人)かもめのジョナサンは、当時歌の中にも出てくるくらい話題になった。私も古本を買って読んだのだが…

希代の読書人 立花隆さん亡くなる

立花隆さんの頭の中はどうなっていたのか。読書家というのは、大抵小学生のころから大人向けの本を読み、高校を卒業するころには、主要な文学作品はすでに読破しているようだ。むろん文学ばかりでなく、あらゆるジャンルの本に手を伸ばす。一般人には、考え…

忍ぶ川の世界は柳宗悦の民芸運動に繋がるものだった

久しぶりに三浦哲郎の忍ぶ川を読んでみた。「雪国ではね、寝るとき、なにも着ないんだよ。生まれたときのまんまで寝るんだ。その方が、寝巻なんか着るよりずっとあたたかいんだよ。」この有名なくだり。本当かとためしたことがあった。ところが真冬にこれを…

「全国安い宿情報」(株)林檎プロモーション

最近東海道線の夜行列車「ムーンライトながら」が運行終了となったことが話題となった。昔のことだが、前身の夜行、大垣行には乗車したことがあるのだが、「ムーンライトながら」になってからは乗ったことがなかった。世間の人もそんなものだったのかもしれ…

昭和史の語り部 半藤一利さん亡くなる

テレビでのしゃべりもうまかった。昭和史の特集があれば欠かせない人。職人、ガンコオヤジ的な風貌。だから説得力があった。右派だ左派だという前に、全身全霊で昭和史の解明に取り組んでいた。こういう人たちがかつての言論界を支えていた。

なつかしいTさんの詩

会社の同期だったTさんの消息を最近ネットで知った。新卒採用で同い年のTさんだったが、入社した時にはすでに結婚していたので少し驚いた。飲み会の席で、学生時代に投稿した詩が文芸雑誌のユリイカに掲載されたというのを聞いてさらに驚いた。Tさんとは1…

上鶴間の青柳寺に田中冬二の詩碑を見に行く

青柳寺(せいりゅうじ)は町田駅近くにある大きなお寺だ。 句碑が立ち並ぶ詩歌好きなお寺である。 詩人の田中冬二の菩提寺で、寺内に詩碑もある。 この詩は、冬二の第一詩集「青い夜道」の中の「明るい雨」の章、一つ目の詩である。 冬二の命日は4月9日なの…

凝り性な人々

昔、父親からお前にやると言われてもらった写真集がある。 特になにもコメントがなかったのだが、全ページオールカラーで、朝日グラフばりの100ページからなるアフリカの動物の写真集だった。 なんなんだこの本は、と思ったが、 最後に、その方の名前が載っ…

ムツゴロウ ファン

畑正憲さんが北海道へ移住したころ、そのころ見た週刊誌にムツさんのインタビュー記事が載っていた。それが小学生の時だったか、中学生の時だったか忘れたが、子供心にも面白い人がいるものだなと感じていた。自分も動物好きであったので、その後いつの間に…

C・W・ニコルさん亡くなる

ニコルさんは、日本の自然のすばらしさを日本人に啓蒙し続けたイギリス人(ウエールズ人)だった。 日本の森林を守り育てるにはどうしたらよいか、自ら実践してみせ日本人に訴えた。 けして狭隘な自然保護主義者ではない。 それは、その広い交友関係が物語る…

林芙美子の放浪記を読む

先々週尾道を歩いたので、林芙美子の放浪記を読み返してみた。 放浪記は、赤裸々な若い女性の日記なので、 背景をよく想像しないとついていけない所もある。 芙美子さんは、恋あり、悲恋ありの活発な女性だが、かなり正直に書いているので×××と伏字になって…

アベル・ボナール 友情論(大塚幸男 訳)

アベル・ボナールなどといっても知る人もいないだろう。 フランスのビシー政権下で文部大臣を務めた人のようだが、戦後このことが災いしてスペインに亡命し、この本の出版当時は行方知れずであったようだ。 私は、そんなに深い意味でこの本を読んだわけでは…

青山で詩集を買う

昨日、表参道あたりを散歩した。 青山学院前の中村書店に入ったら、気になる古本を発見した。 昭和16年発行の歴程詩集の記念号だ。 私が敬愛してやまない山之口獏の詩が掲載されている詩集で、当時の詩壇の雰囲気が伝わってくるミニ文学館のような本だ。 各…

私の茗渓堂書店

あるべきものがあるべき場所にないというのは寂しい。 最近そういう経験が多くなった。 歳を取るというのは、そういうことなのか。 茗渓堂もまたそうだった。 ある日御茶ノ水駅に降り立つと、 ない、ない、 茗渓堂のビルがない。書店の入口がない。 なんども…

6月に思うこと「山靴を履いたお巡りさん」

6月18日はAさんの命日である。 Aさんは、20年ほど前に山岳救助活動中の事故で亡くなられた。 捜索の結果、遭難者は沢ですでに死亡しているのが確認された。 このため、遺体を収容するためヘリコプターが現場に到着した。 この時Aさんは、救助活動中の…

青い山脈 石坂洋次郎

青い山脈は小説で読んだのが先か、テレビで映画を見たのが先か忘れてしまったが、 何れにしてもかなり印象的な作品だった。 特に映画は、日本映画の最もスタンダードな作品のような気がする。 先ごろ主演の杉葉子さんが亡くなられて、また映画が話題となって…

堀 淳一著 「地図のたのしみ」

地図のたのしみは名著である。 地図マニアなら必ず一度は手にしたことがある本だ。 私も小学生のころから地図に親しんできた。 世界地図や都道府県別地図などは、図書館にあるような大きいサイズのものが家にあった。 それを床に広げて見るのが楽しみだった…

官能小説の話

今週のタモリ倶楽部は官能小説がテーマだった。 官能小説には、ほとんど絵が入らないのだから 書く者にも読む者にも、イメージを膨らませる想像力が必要だ。 読むには知的センスも要求される。 また、官能小説の出版には、当局との闘いの歴史もある。 「バル…

子を歩せて下枝下枝の桜さく方へ行く 碧梧桐

しだれ桜でしょうかね 上から幾本も垂れている花枝が綺麗で もっと近くで見ようと幼子と歩む姿に、春がやってきた嬉しさが伝わりますね。 最近テレビ番組のおかげでしょうか、 俳句への関心が高まっているようでいいですね。 第二芸術論で、桑原武夫さんにあ…