株式市場は急激に上昇していますが、一方で円安が進み、輸入品に頼る食料品は高騰が続いています。主食の米は国内生産ですが、悪いことに政府の米政策の失敗が表面化してしまい、価格は昨年の2倍以上と、信じられないような価格高騰になっています。このため日本人のエンゲル係数も急上昇、庶民の暮らしはますます悪化しています。
もともと安倍政権はデフレの脱却、インフレを起こす経済政策を掲げて、異次元の金利政策を8年にわたって主導しました。皮肉なことにその成果が今やっと実現したとも言えますが、安倍政権の間、ほぼ金利のないような資金を、企業は好きなだけ調達でき、株式市場では日本銀行がETF(上場株式投信)を買い支え、株式投資に安全性のお墨付きを与えるスペシャルな環境にありました。このため大手企業は順調に利益を積み上げることが出来、企業の貯金である内部留保も厚くなり、企業の財務内容が大幅に改善されました。
それでは庶民はいかがでしょうか?わずかばかりの銀行預金には金利が付かなくなり、デフレという理由で賃金の上昇もなくなりました。生活水準は下がるばかりで、かつて日本の高度成長期には1億総中流と言われましたが、頑張って働いて日本を支えてきた肝心な中流層が下層の貧困層へシフトし始めているのが今の日本です。
消費税は8%、10%と上昇を続けましたが、これも収入の多くを日々の生活費に消費してしまう庶民にとっては大きな負担となり所得を圧迫しました。社会保険料等の増額もばかになりません。考えても見てください、消費に回す資金以外に余裕のある富裕層はその分を投資に回すことが出来るのですから、安倍政権下の経済政策でますます裕福になりました。アメリカでは日本に先行する形で貧富の格差が拡大し、社会問題化しています。日本は同じ道を歩んではならないでしょう。
ここに来て最低賃金が改正されましたが、すでにインフレにより効果は帳消しとなっています。以前韓国では最低賃金を大幅に増額したことがありました。確かに一時的な混乱があったかと思いますが、今の韓国の経済は以前より苦しくなっているのでしょうか?いつの間にか国民一人あたりの国民総所得も日本は韓国に抜かれている状況です。
会社が利益を上げることは重要ですが、その所得は広く国民に分配されるべきです。
一部の企業や富裕層に独占されるべきではありません。
今は会社の利益が会社の上位者の所でせき止められている状況です。
会社は誰のものか?という問いになりますが、私は社会的な公器という立場と供に、会社の利益の配分は、会社の未来へのための内部留保の積み上げ、株主への還元、そして社員への還元も重要であると考えます。本来賃上げという形で反映できれば一番よいのですが、賃上げでは経営者が固定費の増加に繋がるので敬遠します。労働組合の影響力が低下した今、従業員が会社と直接交渉をすることも困難です。そこで利益剰余金については内部留保への積み立てや株主への配当と同時に従業員へ分配することのできる税制を整えたらと思います。
従業員へ分配することの合理性がなければ経営判断には結びつかないと思われますので、制度的な改革が必要と思われますが、別に方策はいろいろ考えてよいと思います。自社株式による分配でもよいかもしれません。自分が働いて会社を良くすれば、社員自身にもメリットが及ぶような仕組みを作れば、今薄れつつある愛社精神も改善され、優秀な社員を引き留める制度的な力となるのではと感じるのですが?いかがでしょうか?